世界文化遺産
2016年7月17日に、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」はユネスコの「世界文化遺産」に登録されました。
その評価基準は下記のとおりです。(文化庁の公式ホームページより転載)
- ⅰ.ル・コルビュジエの建築作品は、人類の創造的才能を現す傑作であり、建築及び社会における20世紀の根源的な諸課題に対して顕著な回答を与えるものである。
- ⅱ.ル・コルビュジエの建築作品は、近代建築運動の誕生と発展に関して、全世界規模で半世紀にわたって起こった、前例のない人類の価値の交流を示している。ル・コルビュジエの建築作品は、他に例を見ない先駆的なやり方で、過去と決別した新しい建築的言語を開発してみせることによって、建築に革命を引き起こした。
ル・コルビュジエの建築作品は、ピュリスム、ブルータリスム、彫刻的建築という近代建築の3つの大きな潮流の誕生のしるしである。
ル・コルビュジエの建築作品が4大陸で与えた地球規模の影響は、建築史上新しい現象であり、前例のない影響を示すものである。- ⅲ.ル・コルビュジエの建築作品は、その理論と作品に置いて20世紀における顕著な普遍的萎靡をもつ近代建築運動の思想と、直接的かつ物理的に関連している。一連の資産は、建築、絵画そして彫刻が統合した「エスプリ・ヌーヴォー」を表している。
ル・コルビュジエの建築作品は、1928年以降CIAM(近代建築国際会議)により強力に広められた、ル・コルビュジエの思想を具現化している。
ル・コルビュジエの建築作品は、新しい建築言語の発明、建築技術の近代化、近代人の社会的・人間的ニーズへの対応のために、近代建築運動が20世紀の主要課題に対応しようとした解決策の顕著な現れである。
20世紀の主要課題に対するル・コルビュジエの建築作品の貢献は、単に、ある時点での模範的な偉業にとどまらず、半世紀を通じて全世界に着実に広められていった建築及び文字による提案の顕著な総体である。
登録されたのは7ヶ国に及ぶ17資産で、戸建て住宅、集合住宅、工場、宗教建築など用途も多岐にわたっており、一人の建築家が「全世界規模で半世紀にわたって」つくった作品の数々が登録されたというのは、初めてのケースです。
今回登録されたのは、右記の17資産です。
今回登録されたのは、下記の17資産です。
ル・コルビュジエの建築作品
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レマン湖畔の小さな家
スイス
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ラ・ロッシュ+ジャンヌレ邸
フランス
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シテ・フリュジェス
(ペサックの集合住宅)フランス
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ギエット邸
ベルギー
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サヴォア邸と庭師小屋
フランス
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イムーブル・クラルテ
スイス
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ワイセンホーフ・ジードルングの住宅
ドイツ
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ナンジェセール・エ・コリのアパート
(ポルト・モリトーの集合住宅)フランス
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サン・ディエのデュヴァルの織物工場
フランス
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マルセイユのユニテ・ダビタシオン
フランス
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ロンシャンの礼拝堂
フランス
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カップ・マルタンの休暇小屋
フランス
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クルチェット邸
アルゼンチン
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チャンディガールのキャピトル・コンプレックス
インド
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ラ・トゥーレットの修道院
フランス
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国立西洋美術館
日本
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フィルミニの文化の家
フランス