世界文化遺産
レマン湖畔の小さな家
Petite maison au bord du lac Léman

両親のための60㎡ほどの小さな家で、家のプランを練り上げてから、それが収まるような美しい眺望の敷地を探し、その結果、レマン湖畔の北東部の風光明媚な小村コルソーの細長い敷地に建てられた。11mにおよぶ横長の連続窓からは、まさに船窓から見るかのような景色が望め、庭の一隅はピクチャーウィンドウによって切り取られた景色が楽しめる。
寝室、居間などのスペースが緩やかにつながり、小さいながらも機能的な住宅である。湖側のテーブルは可動式で、生活に合わせて窓下のレールに沿って、スライドさせることができる。
また、客間は、狭いながらも収納式のベッドや洗面台などを設置することで空間をうまく利用している。
陸屋根はほんの少し傾斜がつけられ、水はけを良くしてあり、屋上は緑に覆われ、屋上緑化のはしりである。
屋上に上る外階段の上部には、愛犬が外を見渡せるような台が設けられているのも面白い。
地下室の浮力のせいで壁にひびが入ったため、湖側ファサードは後にアルミの薄板で覆われた。
ル・コルビュジエの父ジョルジュは1926年に亡くなったが、母マリーは1960年に100歳で亡くなるまで長くこの家に住み続けた。
