企画展:「ル・コルビュジエの絵画と建築」
紹介する作品:ル・コルビュジエによる絵画、建築写真など30点
開催趣旨:
ル・コルビュジエは、毎日午前中はアトリエで作品を制作し、午後になって建築の事務所に出社していたといいます。それだけ彼にとって絵画と建築はどちらも欠くことのできない創作の両輪でした。
「私は毎日描きつづけ、努力し、創意の精神を広げる形態の秘密を手に入れた。それは軽業師が毎日筋肉と技をトレーニングするのと同じことです。もし私の建築作品になにか価値を認めてもら えるなら、その奥にひそむ力はこの密かな苦労にこそよるにちがいないでしょう。」(『ル・コルビュジエ みずから語る生涯』)「私の研究の秘密は、私の絵画のなかに発見しなければならない 。」(『モデュロール2』)と語っています。
彼は絵画で試み表現したことを、建築に応用させていったと言ってもよいでしょう。
本展では、20年代の絵画と建築の幾何学的形態と色彩、20年代末からの自然物や人体を大胆にデフォルメした絵画上のフォルムの表現と建築での自然素材の扱いや自在な手法、またさまざまなオブジェを並置した絵画と建築にみる対比的な表現、戦後におけるモデュロールやイコン、牡牛といったオリジナル・キャラクターとそれらを建築に取り入れた例や、50年代の絵画と建築に見られる明快な色彩など、ル・コルビュジエの絵画と建築を並べて展示することで両者の関係性を見いだしてみたいと思います。