女性のアコーディオン弾きとオリンピック走者
画面左側に居る女性はアコーディオンを弾きながら、上を向いて大きな口を開けて歌っているようである。円筒形の腕、お椀を伏せたような胸、上を向いた顔はアフリカのお面のよう。画面右上には、トラックをユーモラスな姿勢で駆け抜けていくランナーの姿が見える。本作品に着手したのが1928年、完成したのが1932年。アムステルダムとロサンゼルスでオリンピックが開かれた年である。本作が見た目にカチッとした印象を受けるのは、完璧に黄金比で整理された構図のせいであろう。アコーディオンの蛇腹の上辺を結ぶ横線と、そこに接してランナーが見える窓を結ぶ縦線によって、大木岳画面は4つに分かれるが、それに加えて何本かの直線を引いてみると、いくつもの黄金比が見いだせるだろう。
- カテゴリー
- 絵画/油彩
- 年代
- 1932
- 技法
- 油彩、カンヴァス
- サイズ
- 146.8 x 114.3
- 所蔵
- 西美寄託