暖炉

パリに出て、シャルル・エドゥアール・ジャンヌレ(のちのル・コルビュジエ)は画家アメデ・オザンファンと出会います。ジャンヌレはオザンファンに誘われて絵画制作に本格的に取り組み、二人で「ピュリスム(純粋主義)」を提唱し、1918年の年末には初めての『二人展』を行います。本作はこのときの出品作です。 実際にはそれまでに4点以上の油彩作品を残しているにもかかわらず、ジャンヌレは本作を最初に描いた油彩と呼んでいることからも、この作品の重要性が分かります。 本作は「暖炉」というタイトルですが、主題になっているのは暖炉の天板の上に置かれた立方体の白い塊です。それは丘の上に建つパルテノン神殿のような孤高の存在であり、彼らが追求した純粋で象徴的な幾何学的形態となっています。

カテゴリー
絵画/油彩
年代
1919
技法
油彩、カンヴァス
サイズ
600 x 730
所蔵
ル・コルビュジエ財団