静物

ル・コルビュジエは作品の色調を変えたり、少しオブジェを変えたりして、同じテーマの作品を繰り返し描くことがよくありました。1923年に「多くのオブジェのある静物」を制作したル・コルビュジエは、そのバリエーションを制作しています。そのなかの1点である本作はずっと手元に置いて、長年にわたって手を加え続けたものでした。本作の右下には「23-44-49-52ー53」と年記があり、画面を見ても何層にも色が塗り直されているのが分かります。1923年の「ピュリスム」期の作品と比べると、色彩は明るく力強いものに変化していますが、構図や個々のオブジェのかたちには手は加えていません。ル・コルビュジエは幾何学的な表現への追求は生涯変わらなかったものの、時代によって色彩の表現は変わっていったことが分かります。

カテゴリー
絵画/油彩
年代
1953
技法
油彩、カンヴァス
サイズ
1137 x 1456