マリ・クットーリ

タピスリーの復興に力を注いだ女性マリ・クットーリの依頼を受けて、ル・コルビュジエが描いた下絵をもとにできあがったタピスリー。ル・コルビュジエにとって初めてのタピスリー作品である。このときはこの1点しか制作しなかったが、1950年代以降、再び制作に取り組む際、この経験が生かされた。舟と艫綱の横に、肱をついた手に顔を載せ、こちらを見ている女性が描かれている。画面下には巻貝が、右には松ぼっくりが描かれ、これらは自然のなかに潜む幾何学を意味していよう。女性や舟が描かれたレイヤーを囲むように緑と青の帯状の部分があるが、これらはル・コルビュジエが手掛けた『ザルブラ社』の壁紙見本帳に掲載されているドット柄である。
所蔵:ル・コルビュジエ財団

カテゴリー
工芸/タピスリー
年代
1936
技法
タピスリー
サイズ
147.0 x 175.0